レンガ住宅を建てる際にどこのレンガを使うかはもちろん大事です。が、忘れていけないのはその積み方。

レンガ何て適当に積み重ねていけばいいんじゃないの?と思っているあなた。いえいえ、積み方はとっても大事です。この積み方だけでも印象は随分と変わってきます。

今回はレンガ住宅における外壁での積み方を解説していきます。折角レンガの家を建てるのであれば積み方にもこだわっちゃいましょう。

レンガ壁の積み方の基本

レンガは基本的にすべての面が長方形の直方体となっています。そのため短辺と長辺があります。

専門用語で長辺を長手(ながて)、短辺を小口(こぐち)と言います。

この組み合わせ方を変えて見せ方を工夫することで仕上がりを変えるのです。このレンガのどの面を見せるようにして並べるかでそれぞれの積み方にも名前が付けられており下記で主なものを説明します。

レンガの積み方詳細

レンガを積むときには目地(つなぎ目)が揃わないように積む必要があり、いくつかのパターンに決まってきます。今回は主な積み方を紹介していきます。

長手積み

全ての面がレンガの長辺(長手)を見えるように交互に並べる積み方です。最も単純で効率が良い並べ方です。日本で建てる個人のレンガ住宅はほぼ全て長手積みになります。

小口積み(ドイツ積み)

全ての面がレンガの短辺(小口)を見えるようにして交互に並べる方法です。小口積みは別名「ドイツ積み」とも呼ばれています。短辺を使っており調整がしやすいため井戸のような曲面を施工する際に適しています。

イギリス積み(≒オランダ積み)

長辺を並べる長手積みと短辺を並べる小口積みを段ごとに交互に並べる方法です。外観はフランス積みには及びませんが、最も強固で無駄のない並べ方と言われています。イギリス積みとオランダ積みの違いは建物の角となる端の部分の調整の仕方だけです。

フランス積み

同じ横の列で長辺(長手)と短辺(小口)を交互に並べる方法です。正式には「フランドル積み」と呼ばれます。遠目から見ても仕上がりが最も整っていて美しく見えるのが特徴的です。

アメリカ積み

小口積みで長手積みを数段挟む形です。イギリス積みでは小口の段と長手の段が交互になりますが、アメリカ積みでは長手積みが2段以上積み重なっています。日本ではほとんど見ない積み方で、私が知る限りアメリカ積みで建てられている建造物は京都の同志社大学の彰栄館ぐらいです。

外壁の積み方は長手積みしかない?

現在の日本のレンガ住宅ではほぼ全てが長手積みの外壁になっています。他のフランス積みやイギリス積みは出来ないのでしょうか。

答えとしては・・・長手積みだけです。

日本では耐震のため躯体は木造で外壁部分にレンガを使い、レンガと木部を鉄筋で筋止めするのが主流です。そのためレンガ内部に鉄筋を通すための空洞があるレンガを使うことになるのですが、長手積み以外だと鉄筋を通すのに支障が出てきてしまうのです。

もしフランス積みやイギリス積みなど他の積み方を希望する場合は鉄筋が無くても問題のない低層の外構や花壇で積むことになります。

まとめ

日本の建造物で使われているレンガの積み方についてまとめてみました。

実際に数々のレンガ建築物を見に行ったのですが、積み方によって受ける印象が異なるのは面白かったです。

東京なら豊島区の立教大学にフランス積みの教会が、関西なら京都に同志社大学に珍しいアメリカ積みの建物があっておすすめです。良かったら是非実際に見に行ってみてください。

私も自分の家で他の積み方が出来ないか方法を探してみたのですが、アーチ等他の希望や予算・手間の都合上、素直に長手積みを選択しました。積み方にこだわりすぎてしまうと他の部分で使える予算が大幅に減ってしまうので、その分をレンガの色や内装にお金をかけることをおすすめします。