日本のレンガ住宅でもこっそり流行りだしたのが中国レンガです。忘れがちですが、中国は有数のレンガ大国です。歴史だけで言うと約5000年以上あるとも言われ、あの有名な万里の長城や紫禁城もレンガで出来ています。というのも保温性・断熱性に優れているうえ、安く大量に作れたため過去に良く使われていました。
以前は安かろう、悪かろうのイメージがあったのですが近年は海外の優秀な焼き窯を使うことで品質もグンと向上。もちろん昔ながらの中国ならではのアンティークなレンガも出回っており、お洒落に使われています。
特徴
オーソドックスな赤レンガはもちろんのこと、黒っぽいアンティークなレンガ(青レンガ)の存在を忘れるわけにはいきません。中国映画のワンシーンでよくみかけているのではないでしょうか。
中国レンガの特徴
よく見かける中国産のアンティークレンガは低温で固める製法で作られており、吸水性が高いうえ柔らかく欠けやすいという特徴があります。そのため日本では耐久性が求められる外観や外構など屋外部分でそのまま使うのは難しいです。どうしても屋外で使いたいという場合は撥水加工の処理をしてからになります。
特に他のレンガ住宅とは違う独特な雰囲気を出したい場合に中国レンガの使用を検討することになります。アンティークな感じで古都の中国の再現はもちろんスタイリッシュな雰囲気を作るのにも使えます。ただ中国と日本では気候が異なり、そのまま外構等に使うのは難しいため、インテリアや雰囲気作りとして屋内で使うのがおすすめです。
中国レンガを使った有名建築物や施工事例
中国といったらなんといっても外せないのは万里の長城。21000kmを超える長さでどれだけのレンガを使ったのでしょう。ヨーロッパのレンガ建築物とは全く異なる雰囲気ですよね。
一般住宅だとこんな雰囲気です。
※日本の施工例は見つからなかったため中国現地の例です。
また、貼り方を工夫してスタイリッシュな感じにも使えます。下の画像で壁がところどころ色が違って見えるのは、雨上がりで乾き具合が違うからです。この性質を利用して、庭に使うのもよいでしょう。
おすすめの使い方・用途
近年製造された中国レンガであれば品質が向上しているため外壁に使えるものも出てきています。その場合は基本的にどの場所に使っても大丈夫です。
一方で、もし中国風の雰囲気を重視するならアンティークレンガの使用は避けられません。しかし、この雰囲気溢れる中国アンティークレンガをそのまま使うには日本の気候に適していないため使う場所を工夫したりレンガ自体に手間を加える必要があります。
コストを抑えて手軽に使いたいのであれば建物内部でアクセントとして使うことをおすすめします。
コストが多少かかっても外観から中国風で統一したい場合は撥水加工して使うか、吸水による色ムラやラフな品質を了承した上で問題のない場所を選んで使い、中国アンティーク風に仕上げることになります。これも趣きが出て面白そうですね。
まとめ
中国レンガは独特の雰囲気があって惹かれる人も結構な数がいます。しかし、アンティークレンガを外壁として使うには日本の気候に合わせて撥水加工が必要となり、取扱業者も多くはありません。
ただでさえレンガ住宅に対応できる工務店は多くないのに、手間のかかる撥水加工を扱える業者を探すのは難しいものがあります。したがって、中国レンガそのものにこだわる特別な理由がない限り、品質と耐久性が信頼できるヨーロッパやオーストラリアレンガを中国風に施工した方が長い目で見てコスパが良いかもしれません。
マイホームは十人十色なうえ、レンガで建てる以上百年住宅を目指していることでしょう。そのため、肝要なレンガ選びはじっくり検討し選定する必要があります。是非ここで紹介した各国レンガの特徴を見比べた上で、プロの業者にお話しを聞いてください。奥深いレンガの世界にはきっと貴方が描いているお家がありますよ。