家を建てる前に行う儀式に地鎮祭というものがあります。
この地鎮祭とは氏神様(居住する土地の神様)を鎮め、土地を利用する許可を頂く意味があります。工事中の安全や家の居住者の繁栄を祈るものです。
宗教的儀式の一つで、近年では地鎮祭をしないというところも多くなってきました(特に都内)。事実地鎮祭は義務でも何でもないので無理してやらなくてもいいものなんです。
ただ、レンガ住宅というお気に入りの家を建てるからにはやれることは全てやりたいと思い行うことに。
そんな地鎮祭に向けての準備と当日の流れの体験談です。
地鎮祭の準備
地鎮祭の準備としてまずは日程決めです。私たち家族の都合と工務店の都合を調整し日程を確定させました。
その後、神主に依頼を掛けました。その際に何を準備すればいいのかを確認しています。
日程
地鎮祭に向いている日は「大安」「友引」「先勝」の午前中とのこと。が、忙しい現代で関係者全員の日程を調整するのもなかなか大変です。個人的には仏滅さえ避ければそこまで気にしなくても大丈夫だと思います。
私たちはたまたま関係者全員の日程が空いていたので3月の大安の日に執り行うことになりました。
お供え物
一般的には神様へのお供え物として海の幸、山の幸、畑の幸、お酒やお米とのことでした。具体的に準備したものは
- 鯛(鮮魚)、スルメイカ(乾物)、昆布(乾物)
- パイナップル、リンゴ、バナナ、デコポン
- 人参、ナス、ほうれん草、大根
- お米(1合)、お酒(清酒2本)、塩(1合)、水(500mlペットボトル)
私たちの場合、工務店がお祝いとしてお酒を持ってきてくれましたのでお酒以外を当日持参しています。
初穂料(はつほりょう)やお車代
初穂料とは、神主への謝礼金のことです。地方によっては初穂料ではなく玉串料とする場合もあります。
この初穂料はご祝儀用ののし袋に入れ、初穂料もしくは玉串料と書いて渡します。中に入れるお金は新札であれば間違いありませんが、汚れや折れ目が少ないお札であれば大丈夫です。
相場としては2~5万円で平均は3万円前後になります。
この金額は施主側がどこまで準備するかによって多少前後します。私たちは自分で海の幸や山の幸などを準備しましたので3万円を包みました。もし神主側で用意する場合は5万円包むと良いです。
また、神主は車で来るとのことでしたのでお車代として5000円を包んでいます。なので合計35,000円を地鎮祭終了後に初穂料として渡しました。
工務店や神社が準備してくれたもの
上記以外に使われる祭壇や竹、荒縄などの道具は工務店と神社が一式準備してくれました。私たちが実際に準備したのはお供え物と初穂料だけでした。
地鎮祭当日の流れ
3月某日の大安吉日、午前10時。
建築地に向かうと既に神主さんと工務店の社長さん、建築士が!既に祭壇の準備が始まっており急いでお供え物を渡しました。
そしてあっという間に準備が整っていきます。
私たちは気持ちちょっとだけカチッとした服装ですがほぼ普段着スタイルで集まりました。
そして始まる地鎮祭。神主が儀式を執り行います。神主さんの祝詞が元気で声が大きく通行人から注目を浴びていました。ちょっと恥ずかしい・・・笑
祝詞が終わると神主が四隅を切麻(きりぬさ)で清めていきます。綺麗に紙吹雪が舞いました。
ここからは施主の出番です。
施主として地鎮祭でやったこと
地鎮の儀として、鍬(すき)を使って盛り砂を掘ります。
「エイッ、エイッ、エイッ」
交代で家族全員で掘り起こします。
その後は玉串を祭壇に捧げ、二礼二拍手一礼。
ここまで終わると、以降施主の出番はほとんどありません。
最後にみんなで清酒で乾杯し、無事に儀式が終わりました。
近隣へのあいさつ回り
地鎮祭も無事に終わると、これから建築がスタートしていきます。
ご近所に騒音や振動など迷惑をかけてしまうこともあるので、このタイミングで一度工務店と共に近隣へ挨拶まわりをしました。
私たちは建築地を中心に円を描くように半径2~3軒で挨拶をしました。
工務店の方があいさつ回り用の粗品としてティッシュペーパーひと箱と工務店の紹介チラシ、ご案内のセットを用意してくれていたので私たちは手ぶらです。
ピンポンを押して出てきたら
「これからこの土地で家の建築工事を行います〇〇(施主の名前)です。しばらく工事でご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんがよろしくお願いします。」
とあいさつ。あとは相手からも返答があるので簡単に雑談をする程度です。
留守のお宅も多かったので、その場合は玄関先に粗品とチラシをセットで置いてきました。
今は施主不在で工務店や住宅メーカーだけで工事のあいさつをするというのも多々ありますが、私は施主も一緒にあいさつ回りすることをおすすめします。あいさつ回り自体一軒当たり1分ぐらいでしたし、全部合計しても20分かからない程度です。
あいさつすることで近隣にどんな方が住んでいるかわかり安心できますし、相手も私たちの顔が見えるとクレームも言いにくくなりスムーズな工事を行いやすくなります。
あいさつ回りは後々のご近所との良好な関係を築きトラブルを回避する意味でも非常に有効です。地鎮祭で折角時間を調整したのであれば、是非あいさつ回りも一緒に行うことをおすすめします。
まとめ
以上わたしが実際に体験した地鎮祭のリアルなお話でした。
地鎮祭は準備に時間や費用が多少かかりますが、基本的に工務店や神主が取り仕切ってくれますので、そんなに難しいことはありません。
家を建てるということ自体、一生の間で何度あるかわからない人生の中の大きなイベントです。地鎮祭を行うことで、改めて「あー、これからここに自分の家が建つんだ」と実感しました。
また、家族の大切な思い出にもなります。もし行うか迷っているなら地鎮祭を行うことをオススメします。
良い家が建つことを願って!